夏だからこの話。
残暑もひときわのこの頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
夏だからこの話。と言う事で、ここはやはりそういう話でしょう、 そうお待ちかねの怖い話です。
そこで、私の体験談から、ひとつお話しします。
あれは今から数年前、私がまだ20代でブイブイ(死語)言わせていた頃
私の友人と知り合いの女性二人(そこそこかわいい)と、合計4人でドライブしておりました。
下半身との希望とは裏腹に肝試しに行く事になり
場所は某○○炭鉱跡地へ、ここは以前にも何度か行ったことがあるところだ
行く度にかなりヤバい事になっており、いわゆるS級のレベル。
私は正直気が乗らなかったが、行った事のない友人はノリノリ(こちらも死語)
目的地に近づくとそこは暗い山道、国道から入り、そこからは1本道で曲がるところはない、突き当りに大きな廃墟の建物があり、そこが目的地だ。
山道を走る事15分、そろそろ着いてもいいころだ。
その時だ、車内の空気が急に変わったのに気が付いた、どうやら後部座席の様子がおかしい・・
後ろを見ると、1人の女子がシクシク泣いているのだ! その相方は必死に(○○ちゃんどうしたの!?)と話しかけている。
私も車を止め、その子の様子を確認すると、今までの顔つきではない・・・ なんというか、たしかに本人だがその子でないのだ!
しかも、なにやらブツブツとつぶやいている (かわいそう・・・ この人とてもかわいそう・・・)
ゾッとした!これはまずい! 私は車をUターンさせ車を飛ばした。
車内は相変わらず異空間で、気が付いたらオーディオの音も一切鳴らなくなっていた!
私は焦り、必死に帰路を急いだ!
おかしい、もう30分は走っている・・ 景色が一向に変わらない! 道を間違えたのか?いや、ここまでは一本道のはずだ!
なぜだ! 可能な限り飛ばしてみても、ゆっくりと道を確認しながら走っても、行けども行けども暗い同じような山道。
これはまずい・・・ 車の中の泣いていた子は、もう何を話しかけても無反応になってしまい、その友達も泣きじゃくっている。
半分パニックになりながら車を走らせていると、突如行き止まりについた。
ここはなんだ!? すると助手席の友人が、横の窓の外を指さし(これ見ろよ・・・)
そこには炭鉱慰霊碑の大きな石があった。 よく見ると小さな字でたくさんの人の名前が彫りこんである。
おそらく炭鉱の犠牲者だろう、私たちは気が付いた、おもしら半分にこういうところには来てはいけないって事を・・・
パニックになっていた私たちは一旦落ち着き、炭鉱慰霊碑に手を合わせてから、ゆっくりと車を走らせた。
すると、10分もしないうちに国道に出る事ができた。
後部座席の女子達も意識を取り戻し、その時の事は何も覚えていないという。
あれからずいぶんと年月がたった。
あの日の事は気のせいだとも思わない。
間違いなく霊はいるとも言わない。
ただ、忘れる事はできないだろう・・
統括MG 上條
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